経済産業省発表の「平成24年(1月~6月期)工場立地動向調査結果(速報)」によると、全国の工場立地件数は前年比16.4%増の469件、立地面積は前年比71.3%増の718haとなりました。同調査にはいわゆるハコモノの“工場”だけでなく、メガソーラーなどの太陽光関連設備なども含まれているため、一時的な特需による押し上げの要素を考慮する必要がありますが、立地件数は平成23年上期以降増加傾向にあり、立地面積は前年同期と比べて大幅に増加しています。
産業用地の分譲状況
また、平成25年1月に中小企業基盤整備機構が発表した「平成24年度第3・四半期(4~12月)産業用地の分譲状況等について」でも、平成24年度12月末時点の産業用地販売等実績は、件数が28件、面積が85.3 haであり、前年同期(31件、23.7ha)と比べ件数は若干下回ったものの、面積は大幅に上回る結果となりました。
景気動向調査・GDP速報
TDBが毎月全国の企業2万社に対して行っている「TDB 景気動向調査」の平成25年2月調査結果では、景気DI は39.8、前月比1.8 ポイント増と3 カ月連続で改善し、幅広い業種での改善が見られました。
内閣府が平成25年3月に発表した国民経済計算(GDP統計)の「平成24年10~12月期四半期別GDP速報(2次速報値)」によれば、平成24年は暦年ベース(1~12月)で実質+2.0%(内需+2.9%、外需-0.9%)となり、個人消費や住宅投資など国内民需が景気を押し上げる結果となりました。(個人消費+2.4%、住宅投資+2.9%、設備投資+2.1%、輸出-0.3%)
数字の変化をモチベーションの薪に
これらの数字をみて、「日本の景気が回復に転じた」と判断するのはまだ早計だと思います。復興特需や消費税問題による駆け込み特需の影響も考慮しなければなりません。また、消費税問題、円高、TPPなど、日本を取り巻く不安定要素はいまだに多く存在します。この数字に対する解釈もネガティブ、ポジティブ各論あるかと思います。
こうしたなかで思うのは、解釈とは別に「数字は変化した」という事実を“何に使うべきか”、ということです。これまで明るい材料の乏しかった日本経済にとって、このことは“モチベーションの薪”になるのではないでしょうか。強気にはなりすぎず、しかし弱気にも慣れすぎず、景気に携わるすべての人達のマインドアップの材料になってほしい、と切に思っています。
自治体の皆様におかれましては、企業誘致活動や域内産業の活性化など、今後国内景気の本格回復に向けて、より一層積極的な活動が求められるでしょう。
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