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  • 階層別教育研修を考える(部下育成編4)

2015.01.26

 「シリーズ:階層別教育研修を考える」、第十回も、前回の引き続きで、「部下への関わり方(存在承認)」を書きたいと思います。

1.部下の存在承認

 前回のコラムでは、部下の存在承認とは
 「部下が、自分は価値がある人間であることを証明したい、という欲求を満たすこと」
とご説明しました。
存在証明欲求を満たされた部下は、簡単に言えば、上司のことが好きになります。そして、もっと上司から認められたい、という思いから、さらに価値創出に取り組むようになり、創意工夫や試行錯誤などの経験を経て、結果として、部下本人の成長を促すことに繋がります。

2.企業人の成長スパイラル

 企業人の成長スパイラルは、その中心に仕事があります。

①今の仕事で、より高い価値/より多くの価値を生み出そうと、新しい活動を始める
②試行錯誤を繰り返す中で、成功と失敗体験を繰り返し、経験値が蓄積される
③一定の経験を経て、自分の中に価値を生み出すための行動規範が形成される
④「このやり方をやれば上手くいく」というある種のパターンが、本人の自信となり、さらなる価値創出の取り組みへと繋がる

 存在承認は、①に入るための前提であり、①から④のスパイラルを回すための原動力でもあります。極端な話をすれば、部下の存在証明欲求を満たすことができれば、褒め方・叱り方などは瑣末な問題だと言えるでしょう。

では、どのように存在承認をすれば良いのか?
これこそが、対部下への悩みにおける、最大の課題なのではないでしょうか。

3.存在証明の方法

 存在証明を満たすには、つぎの3つを「承認」してあげることがスタートになります。

①部下の存在を認める
朝出勤をした時に、部下から「おはようございます」と挨拶をされて「おはよう」と返す。
この当たり前の日常に「○○さん、おはよう」と名前をつけて返答をしてみてください。
それだけで、部下の反応は変わります。
こうして、部下一人ひとりを「個体の人間」として見ることが、存在を認めることに繋がります。
 部下一人ひとりには、生活があり、生き方があり、喜びと悲しみ、善と悪があります。
 「○○さんは、どのような人生を希望していて、そのために何を課題と感じているか?」をきちんと把握しましょう。

②部下の変化を認める
部下の変化に対して、どの程度の注意力を払っているでしょうか?
部下の顔色や体調、あるいは語調など、普段との違いに気づいていますか?
髪型や服装などの変化はありませんか?電話の話し方や報告の態度に変化はありませんか?
こうした、日常の小さな変化を見落とさないためには、普段から、関心を持って部下を見なければなりません。

③部下の成果を認める
結果が出た時(成功・失敗を問わず)は、その本人が頑張った点を「具体的に」認めてください。
特に新人・若手社員に対しては、評価時ではなく、期中のプロセスごとの小さな結果(アポイントが取れたなど)を認めることが重要です。
また、「頑張っているのに結果が出ない部下」などは、その適性を見極めるのも管理職の仕事と言えるでしょう。

こうした存在承認を毎日繰り返し行うことが、部下との信頼関係醸成に繋がります。
「信頼関係は一日にして成らず」です。
普段の活動を振り返って頂き、参考になる点があれば幸いです。

 次回は、部下への関わり方として、昨今課題となっている「年上の部下との関わり方」を考えたいと思います。



株式会社グローネス・コンサルティング 代表取締役 為広雅夫

 
 
 
 

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