「営業・本物のプレゼンテーション7」
2015.08.14
屋久島で見たプロフェッショナルな姿。
往復12時間の縄文杉までのトレッキングの為、A氏をガイドに頼んだ際の話です。
登頂の前日にはA氏の会社から集合時間、持ち物、注意事項等の確認(準備の為)の電話があり当日の早朝を迎えました。
登頂を始めしばらくして気づいた点は、他のガイドよりもA氏は重装備です。他のガイドの中には傘を片手に軽装でガイドする人もいるのにも関わらず、見るからに重いリュック(約30キロ)をモノともせず登山を続けるのです。
何故そんなに重装備なのかを質問すると、返ってきた答えに驚きました。リュックの中には怪我人や急な天候の変化等で下山できない場合に備えた野宿(ビバーク)の準備の設備が入っているそうです。他のガイドとは明らかに装備に違いがあります。
そして、これがもし営業の世界であれば、相手の為に準備をしている営業マンと、準備もほどほどに行き当たりばったりの営業マンとどちらに仕事を頼みますか?
売れる営業マン(営業のプロ)ほど万全の準備を怠らないのです。 御社の営業マンはプロとしての準備をどれ程しているのか、一度振り返ってみるのも良いかもしれません。
【準備と練習の違い】
営業においての準備は、相手の為に役に立つ情報や商材を用意し備えること。練習は自らが上手く出来るように、一定の反復することです。すなわち準備と練習の違いは誰に対してスポットライトが向いているかが重要で、準備は相手にとって、練習は自分にとってです。
もし御社が取引するのであれば、お客様(相手)にスポットライトを当ててくれる営業マンと自社(自分)にスポットライトを当てる営業マンのどちらと取引をしますか?
多くの会社ではお客様第一主義を唱えているものの、自社にスポットライトを照らしながら利益主義、成果主義に走る企業が多く見受けられます。もちろん企業である以上、利益追求は必至ですが利益は顧客(相手)の満足の上に成り立っていることを忘れてはならないでしょう。
ここで重要なのが最善の準備を整えることです。
【自社(自分)にとっての最善か、自社(自分)にできる最善か】
では自社(自分)が考える最善とは、営業マン(御社)にとっての「一番良いこと」「適切」「ベスト」でしょうか?お客様(相手)の為に出来る最善を尽くす事でしょうか?
成長し続ける企業は自社にとっての最善を尽くすのではなくお客様の為に出来る最善を尽くす会社であるようです。混沌とした時代に成長し続ける企業を目指すのであれば、前述のガイドA氏のように自分にとっての最善(軽装でガイドする)より相手の為に、自分に出来る最善を尽くす事が重要です。
営業のプロとは「準備を整え」「自分に出来る最善」を尽くす事が出来る人です。
株式会社オーシャンズ
代表取締役 三井 裕