“目的地化”する道の駅 盛り上がりの一方で休館も…
2019.07.12
全国各地に設置が進む道の駅。近年の盛り上がりを見ていると、休憩だけではもったいない。萩漁港にほど近い「道の駅『萩しーまーと』」(山口県萩市)は、鮮魚店や水産加工品店が並ぶ「魚づくし」の道の駅。毎週金曜には朝市も開かれ、港町気分が味わえる。地元の特産品を生かした道の駅は他にもあり、その名の通り「びわ」が主役の「道の駅『とみうら』枇杷倶楽部」(千葉県南房総市)は、特産の房州びわを使用したオリジナル商品を開発、販売している。
全国に1,154駅、「道の駅めぐり」を楽しむドライバーも
全国に広がる道の駅を活用し、「道の駅めぐり」を楽しむドライバーも一定数いるようだ。多くの道の駅ではスタンプが置かれており、各地を訪問した履歴を形に残せるようになっている。今や道の駅は単なる休憩場所ではなく、ドライブの目的地になりつつある。
地元が支える道の駅。管理・運営業者の2割は三セク
※指定管理期間の満了等により、社数は変動している場合がある
道の駅管理・運営業者の本社所在地を見ると、「北海道」が13社、「大分県」が9社、「青森県」「秋田県」「長野県」「熊本県」が各8社と、地方圏が目立つ。なお、国土交通省に登録された道の駅の数を見ると、「北海道」は124駅で全国1位、「長野県」は50駅で同3位、「秋田県」「熊本県」は33駅で同7位。道の駅は概ね地元企業に支えられていると言える。
さらに、道の駅管理・運営業者の約2割は第三セクターであることも判明した。第三セクターの場合、スポーツセンターなど他の公共施設とともに管理・運営を受託した企業のほか、道の駅開設にあたり設立された「道の駅専門」の企業が存在する。
盛り上がりの一方で休館も。休憩場所からの脱却なるか
一方、経営難に陥る道の駅も見られる。「道の駅河北 『ぶらっとぴあ』」(山形県河北町)は民間業者によって運営されていたものの、採算の確保が難しく、業者は町と協議のうえ道の駅の運営から撤退。これを受け、「道の駅河北 『ぶらっとぴあ』」は2018年4月から今年4月まで一時休館を余儀なくされた。
運営面での安定性や集客力については、道の駅によってバラつきがあるようだ。道の駅によって何となく雰囲気が異なるのも、これが原因なのかもしれない。全国モデルとして取り上げられている道の駅では、地域資源を有効に活用し、独自性を打ち出している。休憩場所から脱却し、「行きたい」と思わせる価値を生み出すこと、それが集客力に差をつけるポイントなのかもしれない。
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