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  • 【レポート】日経Data Science Fes 2019 WiDS プレゼンツ特別セッション

2020.02.06

次代のキーワード”データ”が創る社会とキャリアを知る一日
2019年11月16日に、日経Data Science Fes 2019 Student Academyが開催され、帝国データバンク(以下、TDB)は、WiDSプレゼンツ特別セッション:データサイエンス領域で活躍する女性たちの働き方と未来に参加しました。

<ファシリテーター>
横浜市立大学データサイエンス学部准教授
小野 陽子

<パネリスト>
中央大学理工学部経営システム工学科教授
樋口 和之

株式会社帝国データバンク
中川 みゆき

日経Data Science Fes

日経Data Science Fesは「データ」を軸に社会が変わる、「データサイエンス」が人・組織・ビジネスを変革する時代のデータ・AI社会に向けて、産・官・学の共創を試みたイベントです。

2019年は「オープニングフォーラム」「ビジネスデベロップメントフォーラム」「DSFes学生コンペティション」「Student Academy」の4イベントが開催されました。

TDBが参加した「Student Academy」では、企業講演として産学共創によるビジネスでの価値創出の事例紹介について、キーノートセッションとしてAI人材とキャリアについて、特別セッションとしてデータサイエンス領域における働き方についてディスカッションが行われました。

WiDSプレゼンツ特別セッション(レポート)

WiDS(※)プレゼンツ特別セッションのテーマは「データサイエンス領域で活躍する女性たちの働き方と未来」。

データサイエンス分野を志す学生やデータサイエンス分野に関連する社会人が集まり、学問やビジネスの枠を超えて、社会でデータサイエンスがどのように活用されているのかを共有し、データサイエンス分野で活動する企業と学生が交流を持つ機会となりました。
※WiDS(Women in data science):
WiDSは、スタンフォード大学を中心として2015年から始まったジェンダーに関係なくデータサイエンス分野で活躍する人材育成を目的とした活動です。         
TDBは、WiDSの活動を通じて、データから新たな価値を生み出すデータサイエンス人材の育成と、企業データをはじめとしたデータの社会的活用を図ることを継続的に支援していきます。

WiDSの詳細についてはこちら

日本におけるデータサイエンス

冒頭に、横浜市立大学データサイエンス学部・小野准教授より、データサイエンスが男性中心の領域から女性の活躍を期待した領域へと変革する中で、データサイエンス領域における女性の喚起・支援・教育の目的でスタンフォード大学中心に始まった活動がWiDSであり、その活動は世界50カ国150都市に広まっていることが紹介されました。日本初のWiDSアンバサダーとして、日本におけるWiDSシンポジウム開催を2019年に果たし、今後も継続して日本でのWiDSの活動が続いていくこと、そのうねりが徐々に大きくなっていること、産学連携による日本のWiDSが本国・米国から強い関心を持たれていることに触れ、WiDSを通じたデータサイエンスの広がりへの期待を示しました。

TDBにおけるデータサイエンス

その後、TDBより、データサイエンスが社会に果たす役割とその活用可能性について、実際の事例を紹介しました。複雑化する社会に対し、見える指標を使って意思決定するデータによる実証分析の重要性が増しており、それは自治体など施策立案の現場でもEBPM(Evidence Based Policy Making)として取り組まれ、PDCAサイクルの過程で共通言語としてデータの活用が期待されている事例を提示しました。

特にTDBが保有する180万社の調査報告書に記載されている企業の取引関係のデータは、企業活動をエコシステム(生態系)として観察可能にするものである点が着眼されており、地域経済や企業を観察するための指標になり得ることを紹介しました。

この観点はEBPMの他、国の施策として地域経済分析システム(RESAS)や地域未来牽引企業で採用され、企業のサプライチェーンを可視化し、企業を生態系として観察して施策立案をすることに役立てられており、災害時の産業への影響を観察したり、復興需要の予測をする際に活用の余地がある点に触れました。社会で関心が高まっているSDGs(持続可能な開発目標)においても、データサイエンスへの期待が内包されており、SDGs達成のための企業の行動指針として示されているSDGs Compassの中で、「バリューチェーンをマッピングし、影響領域を特定する」事が提唱され、その把握において企業間取引のデータを活用できる可能性がある旨を紹介しました。

こうしたデータサイエンスへの期待を実現していくためには知識の掛け合わせが必要であり、単一の知能でアプローチするのではなく、論理や数学といった枠を超えて他知能と融合した多重な知能でアプローチすべき点に触れ、マシンに勝る人間特有の得意領域を活かす体系的な学習をし、先進技術やツールなどマシンインテリジェンスに対するリーダーシップを人間が発揮すべきという考えを示しました。

TDBは、社会やビジネスのパートナーとして、それらの課題を解決しうる人材の育成やデータサイエンス分野の発展を支援するというコンセプトに立ち、データサイエンスが価値を作り上げ社会を動かすサイエンスであることから、WiDSへの参画はこれを推進していく一助になることを示しました。

学問としてのデータサイエンス

中央大学理工学部経営システム工学科・樋口教授からは、学問分野におけるデータサイエンスの立ち位置について解釈が示されました。データに関連した数理分野は理学系・工学系・数学系の3つの領域に分かれており勉強の仕方が難しくなっていること、一つの学部だけで学べない部分は他分野へも足を運ぶ必要があることが紹介されました。データサイエンスがネットワーク型の知識構造であることに触れ、薄くとも幅広い知識を吸収し、多数の引き出しを持つことが必要であると提唱しました。

データサイエンスへの今後の期待、学生の反応

最後に、ディスカッション全体を俯瞰し、データサイエンス領域に必要な能力として、課題を数式モデルやフローチャートの形として整理できる能力に加え、コミュニケーション能力が必要である点が提示されました。学生からは、企業や社会でのデータサイエンス活用の観点に意外さや面白さを感じたという声や、データサイエンスやデータサイエンティストに求められることと既存のイメージとの違いに対する驚きの声が上がっていました。

多様な人材、知能の掛け合わせで起きるイノベーションを推進するため、TDBはデータホルダーとしての自社の特性をWiDSと掛け合わせることにより、自社およびWiDSが融合のためのプラットフォームとなることを目指します。TDBが保有するデータとデータサイエンスを融合して、社会とビジネスのパートナーとして、今後も皆様をご支援し、データサイエンス分野の発展を促します。
WiDSに関しての詳細・お問い合わせはこちら
WiDS:https://wids-ycu.jp/
担当者:帝国データバンク 中川

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