与信管理の用語集【か】
2019.01.01
取引先との営業取引、商取引に基づいて生じた債務のことです。買掛金、支払手形がこれに当たります。
仕入債務とも呼ばれます。
買入債務回転期間 かいいれさいむかいてんきかん
商品を仕入れてから買入債務を支払うまでにかかる期間を示した、事業の安全性の指標です。
買掛債務回転期間(日)=買掛債務(買掛金+支払手形)÷仕入高(売上原価)÷365(日) でもとめられます。
買入債務回転率 かいいれさいむかいてんりつ
買入債務の支払いを効率よく行えているかを見る指標で、仕入債務回転率とも言います。
買入債務回転率 = 売上原価 ÷ 買入債務(買掛金+支払手形)でもとめられます。
買掛金 かいかけきん
商品の仕入れやサービスの提供を受けたものの、まだ支払いをしていない代金のことを言います。
外国為替 がいこくかわせ
通貨が異なる外国との間で、現金を直接送ることなく債権・債務の決済や資金移動を行う仕組みのことを言います。
具体的には荷為替手形等があり、外為とも呼ばれます。また、自国通貨による外貨債権の売買、市場を通じて異なる種類の交換を行うことも意味します。
会社更生法 かいしゃこうせいほう
大企業に照準を合わせた再建型手続で、申請できるのは株式会社のみです。経営破綻、経営困難に陥った企業を、事業継続させながら再建を行う手続き等を定めています。通常は経営者が交代し更正管財人が就任しますが、経営者が交代しないDIP型のケースもあります。同じ再建型の民事再生法と異なり、担保権者も手続に取り込みます(民事再生法は別除権者)。
回収サイト かいしゅうさいと
掛け売りで、代金が実際に回収されるまでの期間のことを言います。売った側からみた用語です。
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回転資金 かいてんしきん
企業が事業を運営するために必要な資金のことで、運転資金とも呼ばれます。
売上債権(=売掛金+受取手形)+在庫(=棚卸資産)-買掛債務(=買掛金+支払手形) でもとめられます。
外部資本 がいぶしほん
貸借対照表の負債の部にあたり、銀行からの借入金や社債など株主以外から調達した資本であるため、返済する必要があります。他人資本とも呼ばれます。
確認信用状 かくにんしんようじょう
信用状の発行銀行が、信用状の信用度を高める目的で、事項の支払確約に加えさらに信用のあるグローバルな銀行から信用確約を取り付けた信用状のことをいいます。
確認信用状では、信用状発行銀行が決済不能な状態に陥った際、この信用確約した銀行(確認銀行)が信用状発行銀行に代わって、その手形決済を保証します。
なお、信用状発行銀行のみ支払いを確約した通常の信用状のことを、確認がないことから無確認信用状(むかくにんしんようじょう)と呼びます。
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貸方 かしかた
決算書など会計書類に勘定科目を左右に分けて記入する際の右側を指します。貸借対照表では、「負債の部」と「純資産の部」が記載されている部分です。反対の左側は「借方(かりかた)」と呼びます。
関連コラム 貸借対照表の構造 後編(負債の部・純資産の部)|財務会計のイロハのイ
貸倒 かしだおれ
商取引における売掛金や受取手形等の債権が、売った先の事業が倒産する等の理由で回収不能となり、損失となること、またその損失の金額を言います 。貸倒損失とも言います。
貸倒懸念債権 かしだおれけねんさいけん
経営破綻までには至っていないものの、債務の弁済に重大な問題が生じている、または生じる可能性の高い債務者に対する債権のことです。
貸倒償却 かしだおれしょうきゃく
企業会計上における勘定科目のひとつで、売掛金に貸倒が発生したときや、貸倒引当金を計上したときに発生する費用のことです。販売費および一般管理費に計上されることが多いです。
貸倒引当金 かしだおれひきあてきん
貸倒というリスクに備え、あらかじめ損失になるかもしれない金額を想定して計上した引当金のことを言います。
貸倒リスク かしだおれりすく
債務者が財務状態の悪化などによりデフォルト(=債務不履行)となるリスクのことです。「デフォルトリスク」「債務不履行リスク」「クレジットリスク」ともいわれます。
貸付債権 かしつけさいけん
貸付金債権のことで、貸し手が借り手から借金を返してほしいと返還請求できる権利のことを言います。
株式消却 かぶしきしょうきゃく
株式を発行した株式会社自身が、株式市場から自己株式を取得し、発行済み株式数から取り除くことを言います。
消却された株式は配当の必要もなく、保有する株主に与えられている権利等も生じません。
株式譲渡制限規定 かぶしきじょうとせいげんきてい
会社が不利益となる第三者に株式を渡さないようにするために、株式を譲渡によって取得するには当該株式会社の承認が必要であると規定したものです。
この規定を設けている株式会社を”非公開会社”、設けていない株式会社を”公開会社”と呼びます。
株主資本 かぶぬししほん
貸借対照表の純資産の部にあたり、株主が出資した「資本金」「資本準備金」のほか、「利益準備金」「利益剰余金」などで構成されます。狭義に自己資本とも呼ばれることがありますが、厳密には、自己資本から評価・換算差額等(その他の包括利益累計額)を引いたものが株主資本となります。
株主資本等変動計算書 かぶぬししほんとうへんどうけいさんしょ
貸対照表の純資産の部(株主資本、新株予約権、評価・換算差額等)の各項目の変動状況を表す財務諸表のことです。
2006年5月に施行された会社法により、利益処分が定時株主総会以外でも行うことが可能となったことから、期中の純資産の変動を適切に表示する目的で作成されるようになりました。
関連コラム 純資産の部と株主資本変動計算書~
株主資本利益率 かぶぬししほんりえきりつ
企業が自己資本(株主資本)に対してどれだけの利益を上げているかを表す重要な財務指標で、株主資本利益率(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100 で求められます。
数値が高いほど経営効率が良いと言えます。ROE(自己資本利益率)とも呼ばれます。
借入金平均金利金 かりいれきんへいきんきんり
金融機関からの借入金等の平均金利を計る指標です。値が低いほど利払い負担が軽く良いとされています。
借入金平均金利(%) = 支払利息 ÷ 借入金 × 100でもとめられます。
仮受金 かりうけきん
企業会計における勘定科目の区分のひとつで、入金されたものの理由や内容が不明な金銭のことを言います。
関連コラム 税務申告書類の話 ~税務申告書だけじゃない!~
借方 かりかた
決算書など会計書類に勘定科目を左右に分けて記入する際の左側を指します。貸借対照表では、「資産の部」が記載されている部分です。反対の右側は「貸方(かしかた)」と呼びます。
関連コラム 貸借対照表の構造 前編(資産の部)|財務会計のイロハのイ
仮払金 かりばらいきん
企業会計における勘定科目の区分のひとつで、内容や金額が確定しないうちに支払った金銭のことを言います。
為替差損 かわせさそん
外貨の債権・債務が、為替相場の変動によって円に換算した際に生じる損失のことを言います。
為替手形 かわせてがた
三者間でやり取りされる手形のことです。
為替予約 かわせよやく
為替レートの変動によるリスクを軽減するための方法で、将来の外貨と円を交換する日の為替レートをあらかじめ決めておく方法のことです。為替予約取引とも言います。
関連コラム 為替差損益と為替予約
環境会計 かんきょうかいけい
企業等が、持続可能な発展を目指して、社会との良好な関係を保ちつつ、環境保全への取り組みを推進していくことを目的として、企業活動(事業活動)における環境保全のコストとその効果を、可能な限り定量的(貨幣単位又は物量単位)に測定し伝達する仕組みです。
なお、環境会計の機能は「環境保全への取り組みを効率的かつ効果的に推進していく内部機能」と、「測定結果を環境報告書などを通じて社会(外部の消費者、投資家、地域住民など)に伝達する外部機能」の2つに分けられます。
間接貿易 かんせつぼうえき
商社等に輸出入業務を委託し、輸出国と輸入国の売手と買手の間に第三者が介入して行う貿易取引のことで、略して間貿とも呼ばれます。
商社等を通じて海外のメーカー、販売店等と輸出入取引を行うもので、貿易に伴うリスクは商社が負担します。
関連コラム 直接・間接貿易 ~大虎青山、口で身を食む~
自社の与信管理を進化させるヒント
与信管理の運用に満足している回答者の取り組みや自社と比較できるように取引先数別の結果も記載しています。
与信管理白書2021 ~ニューノーマル時代を見据えた実務のヒント~