休廃業の可能性を予測する ~第2回 相談できない事業承継問題~
2021.09.16
早期から事業承継について検討する必要がある
国主体で事業承継を支援する機関がある
相談出来る場所があっても活用されていない
プッシュ型の事業承継支援
取引先のリスク確認やM&A候補先選定にも活用可能
休廃業予測モデルは5つの要素から算出
1.代表者属性
代表者の年齢や後継者有無などの代表者にかかわる情報
⇒代表者が高齢、後継者がいない企業のリスクは高い
2.企業属性
業種や企業活力などの定性情報
⇒業種によってリスクの高低がある
3.業績
売上規模や収益性
⇒売り上げが大きく減少している、収益性が悪化している企業のリスクは高い
4.取引関係
取引銀行や取引先の数
⇒取引銀行や取引先の数が多いほどリスクが低い
5.シグナル情報
弊社調査員が独自に入手した、個別企業の休廃業のシグナルとなる情報
⇒休廃業のシグナルとなる情報を入手するとリスクが高くなる
上記5つの要素を組み合わせて個社の休廃業確率を算出し、10段階の「QPランク」に格付けします。ランク1から10へ上がるにつれて、休廃業リスクが高くなります。図3はQPランク別に実際どのくらい休廃業が発生したのかを示しています。QPランク10を例にみると、2019年12月時点でQPランク10に格付された企業20,906社のうち、2020年の1年間で8.97%が実際に休廃業・解散したということになります。
このように休廃業リスクが定量的に把握できることで、事業承継支援やサプライチェーン維持など、先回りした打ち手が可能になるはずです。
次回は「第3回 休廃業予測活用事例」です。
第1回 休廃業の現状
第2回 相談できない事業承継問題
第3回 休廃業予測活用事例