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  • スポーツのチカラ、日本代表の活躍が景気を活性化!~景気のミカタ~

2022.12.16

スポーツによる人びとの気分の高揚が景気を上向かせる!?

今回の景気のミカタは、新型コロナウイルス禍において消費者のニーズを捉えたスポーツ関連が上向き傾向にあるなかで、サッカー日本代表の活躍と景気動向との関係について焦点をあてています。

新型コロナ禍の「ゴルフブーム」、消費者ニーズを捉えたスポーツ関連が好調

図表1
帝国データバンクの調査によると、2022年11月の景気DIは前月から0.5ポイント増加の43.1となり、4カ月連続で改善しました。国内景気が改善した背景には、新型コロナウイルスの感染拡大第8波が全国的に広がる一方で、クリスマスや年末に向けた需要の高まりや建設工事関連などもプラス要因となっています。

また、全国旅行支援の実施や入国時の条件緩和などで、インバウンド消費を含めた観光関連や娯楽サービスの景況感が大きく改善することとなりました。とりわけスポーツ関連は好調です。なかでも、新型コロナショックの発生以降、屋外で3密を回避できるゴルフ場/ゴルフ練習場の人気は高く、景気DIは60を上回る高水準で推移しています(図表1)。また、テレワークの普及などによる運動不足を解消しようとする消費者ニーズを取り込んだフィットネスクラブも好調を維持しています。

企業からも、「ゴルフブームがまだ続いている」(ゴルフ練習場)や「新型コロナ禍での悪化から景気は戻ってきた」(ゴルフ場)、「前年同月と比較して会員数が増加」(フィットネスクラブ)、「紅葉の時期もあり観光客が増えた」(スポーツ施設提供)といった声が寄せられており、新型コロナ禍にありながらの改善傾向を前向きに捉えている様子がうかがえます。

そして、11月はサッカー日本代表の活躍もあり、飲食料品の宅配サービスが非常に好調でした。

サッカー日本代表の活躍が景気を盛り上げる

図表2
11月20日に開幕したFIFAワールドカップ カタール大会 2022で、日本代表は2大会連続でグループリーグを突破し、決勝トーナメントに進出しました。惜しくも初のベスト8には届きませんでしたが、優勝候補のドイツやスペインに勝利したこと、さらに前回大会の準優勝国であるクロアチアに延長PK戦まで戦い抜いたことは、多くの人々に勇気と感動を与えたのではないでしょうか。

サッカー日本代表がワールドカップで16強を果たしたのは、カタール大会を含め4回目となりました。過去3回は、2002年(日韓大会)、2010年(南アフリカ大会)、そして2018年(ロシア大会)です。実は、帝国データバンクの景気動向調査をみると、16強に進出した大会の開催翌月はすべて企業の景況感が改善しているのです(図表2)。

2002年7月(開催期間:5月31日~6月30日)は、厳しい経済状況のなかで底堅い消費と輸出がけん引する形で上向きました。2010年7月(同:6月11日~7月11日)は、好調なアジア圏の需要に加えて、エコカー減税・補助金や家電エコポイントなど政策的な後押しもあり個人消費を含む内需が押し上げ要因となっていました。2018年7月(同:6月14日~7月15日)は、記録的猛暑が続くなかで、夏季賞与の支給額増加が追い風となり、耐久財や季節商品など個人消費が拡大し景況感を押し上げました。

いずれも海外経済の動向や政策による後押しがあるなかで、個人消費が上向いた結果です。そこには、日本代表の活躍による気分の高揚が消費マインドの改善に寄与したことも一因となっていました。
スポーツには世の中の景気をも動かす力を持っています。カタール大会での日本代表の活躍はどのような影響をもたらすでしょうか。今後の景気動向に注目です。


(情報統括部 情報統括課 主席研究員 窪田剛士)

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