中国の対日輸入規制による日本企業の影響調査|厳選TDB調査レポート3選
2023.09.12
帝国データバンクが独自に調査を行い、定期的に「特別企画」と称し、レポートを発表しております。その中で、特に話題となったものピックアップし、数字に焦点を当ててポイントを要約しています。短時間でトレンドを把握しましょう。
中国の対日輸入規制による日本企業の影響調査
~「中国向け」割合は平均4割、食品は5割超~
(2023年8月25日掲載)
東京電力福島第一原発の処理水放出をめぐり、中国政府は日本産の水産品について全面輸入停止措置に踏み切りました。これまでの10都県に限定した水産品や食品の輸入制限から踏み込んだ厳しい内容で、取引正常化のメドが立たない状況です。中国への食品輸出については従前から人気の高いナマコなどのほか、日本食ブームを背景に日本産食品の対中輸出が近年大きく拡大してきました。実際に、中国へ直接・間接的に輸出を行う食品関連企業は、対中輸出全9270社のうち700社超に及び、1社あたりの取引における中国向けの割合も50%を超える企業が多いなど、中国市場の存在感は大きいものとなっています。そのため、国内の食品輸出業者に加え二次・三次取引などを含めた多くの企業で甚大な影響が及ぶとみられ、国内市場や代替輸出先の確保といった措置が急がれます。
「ファンド出資企業」 の倒産動向調査
~ コロナ禍のダメージで「小売業」が目立つ ~
(2023年8月30日掲載)
コロナ禍以降、経済が正常化する中で業績が回復する企業がある一方、ビジネスモデルや事業・ 収益計画の修正を余儀なくされている企業もあります。投資ファンドが資金を投入してきた企業の中でも明暗が分かれ、ファンド出資企業の法的整理が目立ってきました。2023年(1-7月)におけるファンド出資企業の倒産は34件、通年で58件前後となる可能性があり、過去最多の 2014年(39件)を大幅に上回る予測です。また、負債総額の過去10年間のピークは、2022年(1兆2,014億円)ですが、7月時点の負債総額は3,976億円と過去2番目の水準となっています。なお、業種別で最も多いのは「サービス業」の11件(構成比 32.4%)。次いで「小売業」「卸売業」が6件(同 17.6%)で、コロナ禍の影響を大きく受けた飲食店を含む「小売業」の割合が高くなっています。
女性登用に対する企業の意識調査(2023年)
~ 男性育休取得率は11.4%、企業規模大きいほど高く~
(2023年8月17日掲載)
女性管理職の割合を30%程度となることを政府が目指している中で、女性登用に対する調査をした結果、女性管理職の割合は平均 9.8%で依然1割に届いておらず、「女性管理職30%」超の企業割合も1割を下回っていました。女性役員の割合平均は13.1%になった一方、「役員が全員男性」の企業は依然として半数を超えています。なお、女性管理職割合の平均を業界別にみると、『小売』が18.6%でトップ、『不動産』が 16.2%で続いています。ほかにも、男性の育休取得率の平均は11.4%、特に従業員数「1000人超」企業で高くなっています。働きやすい環境づくりや業務効率化に向けた取り組みが求められる中、働きやすい環境整備への奨励金や、育児休業の助成金制度・税制優遇制度、人材開発に関する助成金など多岐にわたる効果的な公的支援策の拡充・強化も肝要といえます。
そのほかのTDB調査レポート
そのほかのTDB調査レポートはこちら
景気動向調査モニターへのご協力のお願い
マスコミ各社や関連省庁など広く社会に発信しています調査結果は、国会審議等でも取り上げられ、政府や官公庁など政策立案にも生かされています。
景気動向調査に回答して、皆さまの声を日本経済に反映してみませんか?
景気動向調査のモニター登録はこちら
ラインナップ
[作成者:株式会社帝国データバンク TDBカレッジ事務局]