民事再生法 弁済率調査|TDB特別企画レポート
2023.09.28
平均弁済率は過去最低の8.6%
~ 少額弁済は「10万円」が最多 ~
はじめに
施行直後は年間で900件を超える企業の民事再生法適用が判明していたが、近年は全体の倒産件数自体の減少もあり民事再生法の適用を申請する企業も大幅に減少している。
そこで、帝国データバンクでは、2021年1月~2022年12月の2年間に再生手続き認可決定を受けた企業について調査し、再生計画の内容が判明した47社を対象に、一般再生債権の弁済率、弁済期間、少額弁済額の分析を行った。なお、本調査は2018年12月発表に続き4回目。
調査結果(要旨)
済率は8.6%。100%弁済を行ったケースもある一方で、弁済率1%以下のケースも散見される
など、大きな差が見られた
・2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、一般再生債権弁済完了までの期間が
判明したのは39社で、1年かからずに弁済を完了させたケースが28社(一括弁済含む)と70%
を超える一方で、最長となる「10年」は全体の15.4%にのぼった
・2021年~22年に再生計画認可決定を受けた企業のうち、少額弁済(一定金額以下は全額弁
済)の有無が判明したのは46社。うち、8割を超える39社で少額弁済を行っていた
1.弁済率別分布 -7割以上が10%未満
弁済率分布は、「10%未満」が36社(構成比76.6%)で最多となり、30%未満で全体の9割を占めた。
2.一般再生債権弁済完了までの期間 -1年未満が7割を占める
事業の一部もしくは全部を別会社に譲渡したうえで、旧会社を清算させる“清算型”民事再生法の活用が増えていることも、一括弁済を中心とした「1年未満」に該当する比率が高まった要因といえる。
3.少額弁済額 -「10~30万円未満」が最多
債権者に配慮したスムーズな手続きを目指すため、多くのケースで少額弁済を実施したと考えられる。
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