景況感は改善基調を維持できるか
2016.12.24
2013年は、安倍政権が本格稼動し、成長重視の経済政策「アベノミクス」が推進された1年でした。12月に入ってからも「産業競争力強化法」の成立や、中小企業の“資金繰り対策”として10兆円超の金融支援が発表されるなど、その動きは活発です。
改善見せる経済指標
これは、戦後最長の景気拡大期にあった2006年3月(47.9)を上回り、2002年5月の調査開始以来最高を更新しました。地域別でみると、全国10地域のうち「北海道」「東北」など7地域で過去最高を更新しています。
12月16日に発表された日銀短観(12月)でも、指標となる大企業・製造業の景況感が4四半期(12カ月)連続で改善したほか、中小企業の非製造業が約22年ぶりのプラスとなった点が話題となりました。
各種の景気指標で改善が続く背景には、内需回復や消費増税を見据えた駆け込み需要に加えて、アベノミクス効果が小規模企業にまで浸透している点が寄与していると考えられます。
2014年も内外需の堅調さが維持され、景況感の改善傾向は続くといえるでしょうか?
帝国データバンクが11月に実施した「2014年の景気見通しに対する企業の意識調査」では、来年の景気見通しについて「回復」局面を見込む企業の比率は23.7%と前年の2.6倍に急増しました。
一方で、「悪化」局面と見込む企業の比率は16.5%と、2013年の8.0%と比して8.5ポイント増となっています。
消費増税後の需要減や価格転嫁の問題、円安にともなう原料高など懸念材料に対する警戒感は払拭されておらず、消費や雇用への影響は楽観視できませんが、調査を開始した2006年以降では「回復」見通しは最も高く、企業の現場でも改善傾向にあると感じている様子がうかがえます。
執筆:情報統括部 産業情報分析課 窪田 剛士