営業力強化を考える(1.そもそも「営業力」とは何か?)
2015.05.08
現在はまさに、新人研修の真っ盛りです。コラムの内容が少しでも皆様のお役に立ったのなら、大変嬉しく思います。
さて、今回からは新シリーズ「営業力強化を考える」がスタートします。ニッポンの企業の90%は中小企業です。「売る力」は、どの経営者にとっても、関心の高いテーマではないでしょうか。新シリーズは、グローネスの「営業強化研修体系」をご紹介しつつ、「読むだけで営業力が高まる」ような内容にしていきたいと考えています。
「営業力強化を考える」シリーズ内容
テーマ:B2B(法人)営業の営業力強化
1.そもそも「営業力」とは何か?
2.B2BとB2Cの違い
3.一般的なB2B営業の営業フロー
4.ターゲティング:売れる顧客の見つけ方
5.ファーストアプローチ:情報収集と仮説立案
6.営業面談スキル(導入~次の約束の取り付け)
7.ニーズとは何か?
8.顧客のニーズを引き出す質問力
9.ニーズに合わせた説明:FUTURE & BENEFIT
10.無関心への対処:ニーズを創出する
11.条件交渉
12.営業マネジャーの心得
1.そもそも「営業力」とは何か?
問.「営業力」とは何ですか?
この問いに対して、あなたはどのように答えるでしょうか。
これまでの営業研修の中で、さまざまな回答を頂いてきました。
いわく、「売る力だ」「売上を上げる力だ」「とにかく客からカネを引っ張ってくる力だ」…。
確かに、「製品が良ければ売れる、という時代は終わった」という言葉を聞くことがあります。
しかし実は、この言葉には端折られた部分があります。
「製品が良ければ(あとは黙っていても)売れる、という時代は終わった」
つまり、製品が良いということは大前提ですが、それをきちんと顧客に訴求しなければならない、ということなのです。この「製品を顧客に訴求する」ことが、セールスの役割と言えるでしょう。
営業強化研修の目的と狙い
目的:セールスが、自社の製品・サービスを顧客に訴求できるようになること
狙い:(具体的に、以下の状態になること/近づくこと)
1.顧客の要望をしっかりと把握し、顧客もセールスが「自分の要望を理解してくれている」と感じている
2.自社の製品・サービスの特徴を「顧客の要望に沿う」かたちで、しっかりと伝えている
3.競合他社と比べて、製品・サービスの何が、どのように顧客の要望に沿うのかを顧客も理解をしている
4.顧客は、その製品・サービスの導入に魅力を感じている
5.セールスとして、検討から導入、フォローまでを責任をもって担当している
「顧客との信頼関係が大切だ」「最終的には人間関係で決まる」「セールスは結局、人間力」営業強化研修をご検討されている担当者様から、上記のようなお言葉を頂くことがあります。
確かに、お客様と強いパイプは、競合参入を排除する上で極めて重要です。
しかしながら、そもそもセールスの目標は、お客様と「友達」になることではありません。
ビジネス・パートナーとして、自社そして自分自身をお客様に認めてもらうことがセールスの目標です。
お客様との信頼関係は、1~5の状態を経て、時間をかけて形成されていくものなのです。
先出の目的・狙いを営業強化研修の根幹に位置づけ、具体的なスキル体系としてまとめ上げました。(図1)
もちろん、営業は足腰が重要です。「数で稼ぐ」という考え方もあるでしょう。しかしそれだけでは、セールスは疲弊してしまいます。そうした数多くの考え方を踏まえた上で、「具体的な売り方」を修得するための研修が必要だと考えています。
次回は、営業強化研修のスキルをご紹介する前提として「B2BとB2C」について考えたいと思います。
株式会社グローネス・コンサルティング 代表取締役 為広雅夫