2019年、日本経済に影響を与える重要イベント~景気のミカタ~
2019.01.15
2018年の国内景気は過去最高から弱含みへ
2018年の国内景気は、災害復旧・復興工事や住宅着工などの建設需要が堅調に推移し、冬季賞与の増加、年末需要の高まりなどがプラス材料となったものの、総じて厳しさの増す一年だったと言えます。
2019年は重要イベントが目白押し
2018年12月30日に発効したTPP11を皮切りに、日米TAG(物品貿易協定)の開始や日EU・EPA(経済連携協定)の発効予定といった通商関係に加えて、3月には英国のEU離脱も控えます。さらに、日本で開催されるサミットとしては過去最大規模となるG20(主要20カ国・地域)首脳会合が大阪市で開催されるほか、福岡市や松山市など全国8都市で関係閣僚会合が開かれます。今後、各地からはさまざまな情報発信や知名度向上に向けた動きが活発化することが期待されます。
他方で、今上天皇の退位および新天皇の即位、改元などに向けて、5月1日が「天皇の即位の日」として休日(祝日扱い)となったことで、10日間に及ぶ大型連休が待ち構えています。さらに、働き方改革関連法が順次施行され、年5日の年次有給休暇取得がすべての企業において義務付けられることに加え、大企業では時間外労働の上限規制が導入されます(中小企業は2020年4月1日)。
そして、2019年の景気に最大の影響を及ぼすとみられる、消費税率10%への引き上げおよび軽減税率の導入が10月に予定されています。
激動の2019年、深刻化する人手不足と消費税率引き上げをいかに乗り切るか
景気への懸念材料トップは「消費税制」
消費税率引き上げにともなう需要増と反動減が予想されるなか、中国など外需の減速や日米通商交渉の行方も懸念され、景気の先行きへの厳しい見方が一段と強まっています。2019年の景気動向は、人手不足の解消や消費活性化、貿易摩擦の行方がカギを握る一年となるでしょう。
執筆:情報統括部 産業情報分析課 窪田 剛士