ABMの効果を高めるデータマネジメント
2019.02.26
本セミナーでは、これまで多くの企業のデータマネジメントを支援してきた弊社データディレクターが、社内に眠る情報・データベースを連携・統合するための戦略的なデータマネジメントと、データを活用した「有力な見込顧客=アカウント」の決定に必要なターゲティングアプローチのポイントを実際の支援事例を交えてお話ししました。
当日の内容の一部を本コラムで紹介します。
最近のマーケターのお悩み
“流行りのABMやって!” “デジタルマーケティングでリード持ってきて”
“売上伸ばして” “CRMやMAなど色々なツール使ってるんだから効果出してよ”
などの指示や要望が飛び交い、悩みを挙げればきりがないでしょう。
我々はお悩みの要因として市場が正確に把握できていないことが、根底にあるのではないかと考えます。
市場と一口に言っても、把握すべき市場は以下の3つがあります(図1)。
TAM(Total Addressable Market) = 総市場
SAM(Serviceable Addressable Market) = ターゲット市場
SOM(Serviceable Obtainable Market) = 自社が狙うターゲット市場
実際には、自社の顧客しか分析できておらず、ターゲットについても認識できる範囲で(潜在的なターゲットは不明のまま)マーケティング・営業活動を行っているのが現状ではないでしょうか。その場合、自社のポジショニング把握や、正しい目標設定はとても難しいものになってしまいます。
顧客の粒度
ターゲットとする企業1社を取り上げても、人によってとらえ方は様々です。
“その企業が属するグループ全体”(=グループ単位)
“設計部の○○部長”(=部署/リード単位)
“横浜工場”(=事業所単位)
などが一例として挙げられます。
このような状態ですと、正しいターゲット数の把握もままならず、マーケティング・営業活動に支障をきたします。当然、効果測定することも難しいでしょう。
市場を正確に把握するには、「全体俯瞰」と「粒度統一」が最低限必要となります。それができると、「顧客の実態を分析」できる状態となり、「目標設定」や「戦略策定」が明確となります。これらを実行して初めて、自社のデータ資産が活用できるようになるのです。
ABMに必要な3つのポイント
1. 粒度が統一されている
2. アカウントが正しく設定できる
3. ポテンシャルが把握できる
この3つのポイントを押さえることで
・商材に合わせた適切なアカウント設定
・適切な目標値設定
・効果的なホワイトスペースへのアプローチ
・施策の優先順位の明確化
・施策の効果測定がスピーディに
などが可能となります。
当社が支援させていただいた商社Aにおいても、「マーケティング効果を高めるためにABMに取り組む」と決めたものの、“顧客データが汚い”“顧客データが色々な部署に点在”“ABMのための情報が不足している”“ABMを続けるためのデータの収集・メンテナンスは面倒”などの課題を抱えていました。実際に支援させていただいたデータマネジメント手順を紹介します。
データマネジメント手順
STEP1.ストックDBの正規化と名寄せ
STEP2.コード化とメンテナンス
STEP3.属性の付加とホワイトスペース把握
STEP4.ポテンシャル把握と優先順位付け
STEP5.実行と施策評価
正しいデータマネジメントができると、データドリブンマーケティングが可能となります。セミナーの最後では、その一例としてデータを可視化し意思決定に寄与するダッシュボードBIサービス HELFECLOUD(ヘルフェクラウド)を紹介しました(図3)。
データマネジメントは、目的や使用しているシステム、保有する情報によって最適な進め方が異なります。お困りのことがありましたら、ぜひ帝国データバンクまでご相談ください。