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  • 名刺データ×企業データが生み出す効率的な営業方法

2019.05.29

 去る2019年4月24日(水)に、帝国データバンク本社(所在地:東京都港区南青山)にて、Sansan株式会社様(以下、Sansan)と帝国データバンク(以下、TDB)の共催セミナーが開かれました。両社は2016年から業務提携をしています。クラウド名刺管理サービスSansanに名刺を取り込むと、その企業情報を(Sansan上で)表示することができるようになるなど、両社の協力がお客さまの利便性を高めています。


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第一部 Sansan 長谷川氏 講演「名刺データを起点にした営業戦略の高度化」

第二部 帝国データバンク 鈴木 貴之 講演「企業情報、名刺情報による効率的なデータ活用」

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第一部 名刺データを起点にした営業戦略の高度化

会場全体の様子:当日はあいにくの雨でしたが、 会場は満員で、熱気に包まれていました。皆様真剣に聞き入っています。
 第一部では、Sansanの長谷川氏より、「名刺データを起点にした営業戦略の高度化」と題して講演がありました。
Sansanは、業界シェア82%の法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を提供しています。冒頭、「まず“名刺”とはそもそも何か?」とお客様に投げかけるところから講演はスタートしました。長谷川氏曰く、「名刺」というものは、ビジネスの出会いの現場で必ず交換されるものであり、氏名や役職、連絡先が正確に印字された情報の宝庫であると言えます。また、実際に社員が会ったことがあるという接点情報にもなります。しかし、「たいていの場合悲しいことに、この名刺がデータ化されずに、ただの個人資産になっている」と嘆きます。

名刺が個人資産であることのデメリット、法人資産にすることのメリット

 例えば、ある人が名刺交換で手に入れた名刺は、その人にとってはいらない名刺かもしれないが、隣の部門が喉から手が出るほど欲しい情報かもしれません。
 また、社内に「取引先情報」・「案件情報」に関する情報は存在していても、接点である「キーマン」・「関係者」の情報は整備されていないことが多いです。平均するとBtoBの商談においては、決裁には顧客企業内で約7名の人物が関わっている、とまで言われています。
 この関係者の管理は①人数が多い、②部署異動が多く情報が頻繁に変わる、③デジタルデータをもらうことができず紙媒体(名刺)である、という理由から、これまで難しい状況でした(図1参照)。それをSansanが解決できます。

 名刺を企業の資産として管理することにより、様々なメリットが実現します。例えば名刺交換時点ではキーマンで無かった人も、半年後にはキーマンになっているかもしれません。また、眠っていた人脈の掘り起こしにもつながります。
 また、名刺を企業の資産にできていないと、引き継ぎの際に困ることが多くあります。例えば、ベテランの営業が名刺情報を個人資産として管理している場合、その社員が転職とともに、名刺情報を持ち出し、ごっそり顧客を持って行かれてしまうケースも懸念されます。そのような悩みを抱えているお客様は数多くいらっしゃいます。

Sansanが選ばれる理由

図1 Sansanと他の顧客管理システムとの違い
 Sansanが選ばれる理由は、導入のハードルの低さにあると、長谷川氏は言います。
「名刺の取り込み手順は簡単です。AIを使ったテクノロジーとオペレーターの手入力によってデータ化し、99.9%の精度を担保しています」長谷川氏は自信を持って参加者に伝えました。
 また、お客様事例として、Sansanの情報からDMを送って営業推進に役立てている動画を紹介しました。
 後半では、Sansanのデモを行い、その有用性・利便性について具体例を出して説明を行いました。自分の交換した名刺でも、そのままにしていたら情報が古くなってしまいます。Sansanを使えば、情報のアップデートも容易にできます。名刺交換相手が役職・部署が変わった場合でも、同僚が新しい名刺を手に入れ、Sansanに取り込んだら通知が来ます。このようにして、Sansanは企業に人脈のデータベースを作ることができるのです。その他には、「組織ツリー」という機能もあります。相手企業の誰と名刺交換できていて、誰とできていないのか。外部の人事情報とも連携して、組織図上で把握することができます。また、Sansan上で名刺交換相手に関連したニュースも見ることができます。人事異動情報も含まれるため、その気づきをきっかけに案件を進めることにもつながります。
 メール配信機能では、一括メールでありながら、宛名や差出人名の差し込み機能によりあたかも1対1でメールを送ったかのようなメール内容で配信することもできるため、非常に開封率も良いとのことでした。

 このように、Sansan様のパートでは、名刺情報を「個人の資産」ではなく、「企業の資産」にすることのメリット・必要性について話されました。

第二部 企業情報、名刺情報による効率的なデータ活用

 次に、第二部では、帝国データバンクの鈴木より、「企業情報、名刺情報による効率的なデータ活用」と題した講演がありました。

企業情報、名刺情報の活用のカギとは?

図2 データ整備に必要な3つのポイント
 名刺情報が整理できたとしても、取引があるのか否かは、顧客リストと照合しなければわかりません。
 一般的には、顧客・アプローチ済みのリストしか分析できていないことが多く、その外にある見込みなどは果たして正しい情報となっているのであろうか明確に答えられる人は少なくない、そこで鈴木は、「大切なものは、自社のなかにある」と言います。
 また、鈴木は「企業情報、名刺情報の活用は、“データ整備”がカギ」と結論付け、そのためには、以下の3つが必要と言います(図2参照)。


① 粒度を統一する
  グループ、企業、事業所、部署、個人というカテゴリを整理すること。

② アカウントを正しく設定する
  大企業なら部署単位、商材Aは事業所単位と、ターゲットは必ずしも企業単位ではない

③ ポテンシャルを把握すること
  適正なノルマ設定ができる


 これらを社内で行うことにより、社内の他部署に対するデータ整備・活用の理解も向上すると言います。
 ただ、データ整備は煩雑かつ面倒。そこで外部データの活用が一つの解決策となり得ますが、その外部データを選ぶ場合のポイントについて紹介しました。

TDBが選ばれる理由

外部データを選ぶ場合、以下が大事であると言われています。

1.網羅性(欲しい情報があるか) 
2.信頼性(実態をつかんだ情報であるか) 
3.更新状況(常に最新状態を維持できているか)

 さらに、TDBでは企業の拠点情報(工場などの住所情報など)もカバーしており、その拠点に居る「個人」についても、TDBとSansanの連携により情報をかけ合わせれば、接点を追うことが可能になります。

Sansanとの連携により実現したこと

 名刺交換した会社の企業コードを、Sansan画面上でダウンロードできるため、さらに、そのコードに評点などの情報を付加することにより(データのリッチ化)、分析を行えば、ポテンシャルの高い見込みを見つけやすくなります。

まとめ

 名刺を企業の資産とするメリット・必要性について前半にSansan長谷川氏からお話しいただき、後半はTDB鈴木より Sansan×TDBにおける業務提携メリットおよび、企業情報、名刺情報の活用は、「データ整備」がカギという理由及び解決方法について話がありました。今後も、両社の知恵を絞り、さらにお客様の利便性を考えたサービス向上に取り組みます。

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