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  • マーケティング効率化のためのデータマネジメント 第3回(全3回)

2019.05.27

帝国データバンクではマーケティング支援としてデータマネジメントについて相談を受けるケースが増えてきており、お客さまの課題解決を実現した事例も出てきています。

そこで、データマネジメントの概要や考え方を広くお客さまに共有するため、「マーケティング効率化のためのデータマネジメント」と題して全3回のコラムをお届けする最終回です。

第3回 マーケティング効率化のためのデータ利活用とは

~現状把握に時間をかけない~

マーケティング施策を検討するとき、まず初めに行うのは現状把握でしょう。
商品Xの市場規模は?どのような属性を持つと顧客になりやすい?その顧客は市場にどのくらいいる?競合他社との市場の違いは?自社が狙う市場の成長可能性は?
マーケティング施策検討で最も重要なのは「施策を練ること」ですから、その前段である現状把握はなるべく手間をかけずに行いたいですよね。
そこで活躍するのがデータです。自社の過去の実績データはもちろんのこと、外部のデータベンダーが保有する膨大な情報(=データベース)を駆使し、欲しいものを素早く手に入れましょう。
例えば帝国データバンクでは、「TDB Evidence Based Decision」というサービスをご提供しています。これは、世界最大級の企業データベースとお客様が保有する顧客情報等を用いて市場規模などの集計結果やデータの見方、取扱い方をアドバイスするサービスです。これにより現状把握や効果検証がスピーディになり、施策検討に時間を割きやすくなります。
何度も申し上げていますが、データは「事実」です。現状把握や効果検証が明確な事実、つまり根拠に基づいたものとなりますから、客観的で納得性が高くなるわけです。
顧客の粒度×顧客のステータス
~顧客のステータスとアカウントの粒度~

時代を経るごとに顧客のニーズは細分化し、マス向けのマーケティングはどんどん効力が落ちています。従来のSTP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)だけではもはや対応できず、一つのセグメントの中でもさらに個別の顧客の状況を加味し、営業部門だけでなく複数の部署で連携してアプローチする必要が出てきています。
ABM(アカウント・ベースド・マーケティング)が主流となりつつあるのもそうした背景によるものです。
アカウント、つまり顧客によってアプローチ方法を変える必要がある、ということは感覚的にも理解しやすいですが、では具体的にどのようにアカウントを定義し、アプローチを変えるのでしょうか。
一つの事例として、【顧客の粒度×顧客のステータス】で顧客のロイヤルティを定義し、そのロイヤルティに応じたアプローチを行う方法があります。

図の場合、アカウントAは企業グループ全体で自社のヘビーユーザーとなっていますが、アカウントBは個人単位かつ未接触です。当然Aの方を優先し手厚いサービスやフォローを行うべきでしょう。Aについては、もはや「売る」ことよりも「維持する」ことが最優先と言えます。
このような考え方以外にも、たとえば汎用的なソフトウェアのサブスクリプションサービスであった場合には契約ライセンス数や月額利用金額、LTV(顧客の生涯価値)といったものが重要な指標になるでしょうし、顧客は粒度ではなく決済レベル(最終決裁者~窓口の担当者)で区分すべきかもしれません。売りたい商材やその時々の戦略に応じて、アカウントの考え方も変わるのです。そのため、その時々でアカウントを定義できるように予め自社の顧客情報を整備し、必要な情報を組み込んでおくことが重要なのです。
~効率化のために、いかにデータを使いこなすか~

顧客の捉え方やアプローチの方法はどんどん細分化し煩雑になる一方で、一つ一つの戦略の検討・実施期間は短くなっています。
BIツールやMAツールといった道具が便利になっていますから、そうしたものを使って効率化することが前提となっているのでしょう。ただ、道具だけ便利になっても、中に入っているもの(=データ)が使い物にならなければ見たいものは見えません。
また、結局のところ施策の判断をするのは最終的に人間です。どのような素晴らしい施策であっても、根拠が乏しかったり、検証が難しかったりすれば判断に迷うことも出てくるでしょう。
自社の最高の資産であるデータをどこまで活用できるのか、それがマーケティング効率化の要です。
全3回にわたってデータマネジメントの考え方や進め方について説明してきました。本コラムシリーズが貴社のデータマネジメントの取り組みのヒントになれば幸いです。
◆バックナンバー◆
第1回 データマネジメント基礎編
第2回 データマネジメント実践編
第3回 マーケティング効率化のためのデータ利活用とは <表示中のコラム>


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