「一斉休校」の影響じわり 給食需要の急減で関連業者の倒産も発生
2020.04.03
山梨県内の学校などに給食用食材を納入していた(株)新和が3月23日までに事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。従前から厳しい競争環境に置かれていたところに、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう一斉休校で、給食需要が急減したことが追い打ちとなった。
政府が全国の学校に向けて一斉休校の要請を出してから約1カ月。学校生活に欠かせない給食を支える事業者に、じわりと影響が広がっている。
給食用食材納入業者の過半が「年商10億円未満」
冒頭で取り上げた(株)新和も直近の年売上高は約2億1900万円(2019年8月期時点)と、年商規模としては比較的小規模な運営だったといえる。
また、業種別では「乳製品製造」が63社で最多となり、以下、幅広い品目を取り扱う「その他の食料・飲料卸」(60社)、「パン製造」(46社)、「食肉卸」(40社)、「めん類製造」(38社)と続く。なかには1社で複数の学校給食会に食材を納入している企業や、給食用食材への依存度が高い企業もあり、影響は広範囲に渡ることが予想される。
順次学校再開へ 今後の安定供給のためにも、即効性のある支援が求められる
24日には文部科学省から学校再開に向けた指針が発表され、各地の教育委員会も学校及び給食の再開を表明するなど、異例の休校措置は一区切りつく見込みだ。しかし、25日以降になって東京都などでは新型コロナウイルスに感染したと確認された人の数が急増。感染の終息時期は依然不透明と言わざるを得ず、今後の状況には引き続き注視を要する。
学校給食は通年安定した受注が見込めるだけに、今回の休校措置によるダメージは大きいとみられる。新型コロナウイルスの影響で約1~2カ月の資金繰りがままならない企業を中心に倒産が発生している状況を鑑みると、今後も同様の倒産が発生する可能性は否定できない。学校再開後も安定的に給食を提供するためには、納入業者に対する円滑な支援が求められよう。
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