【ウェビナーレポート】顧客データ基盤整備の重要性
2020.07.30
■担当講師
営業企画部 東日本営業企画課 黒澤 学
顧客管理の実態
「取引先に関する各種情報が、担当営業拠点でのみ管理されている」
「数年前の取引開始以降、当該企業の与信チェックはしていない」
「名刺情報やWebページからのリードに対して整理できていない」
「既存顧客分析による営業戦略を立てる術がない」
このような課題を解決するための考え方として、弊社がおすすめする「3点管理」と呼ぶものがあります。
・全体管理:取引先全体像を広く見渡す視点
・重点管理:個別企業を詳細に見る視点
・継続管理:継続的に注意を払う視点
これに加えて重要なポイントとして「この管理を実現するためには、4つ目の考え方として顧客データ基盤の整備がある」といえます(図表1)。
顧客データ基盤を整備することで、各部署でメリットがあります。経営・マーケティング部門では、市場シェア分析などに、営業部門では営業開拓用ターゲット選定などです。また、債権管理や財務部門では、与信管理の強化、システム部門ではシステム統合などによるコスト軽減などが挙げられます。
顧客データ整備で注意すべきポイント
変化への対応
まず、1つ目の同一企業の重複データが発生することを防ぐためには、点在する情報を一元管理したマスタを持つことが重要です。そのためには入力方法、管理ルールなどを明確化にします。
登録データの陳腐化については、こちらは一定のサイクルでデータを更新することの徹底です。
最後に顧客データの誤登録については、入力する項目を決め、テキスト入力ではなく、選択式にすることです(図表3)。
営業戦略を加速させるためのアプローチ
1.データの粒度を統一する
2.アカウントを正しく設定する
3.ポテンシャルを把握する
「1.データの粒度を統一する」とは、企業、事業所、部署、個人といった粒度で情報を整備することを意味します。粒度を統一し、業種・年商・信用度などの属性情報を付与することで、自社取引先のポテンシャルを正しく測定し、自社の商材に適したアカウント(事業所・部署・担当者)に対してアプローチすることが可能になります。
「2.アカウントを正しく設定する」とは、ターゲット企業を特定すれば良いということではありません。ターゲットが大企業であれば、特定の部署に対してアプローチをし、事業所レベルで決裁される商材であれば、既に取引がある企業のなかで未開拓の事業所へアプローチをすべきです。これは、データの粒度を統一することで可能になります。
「3.ポテンシャルを把握する」ことによって、施策や営業の目標値設定などが円滑に進みます。ポイントは複数の情報を組み合わせて、自社のターゲット市場のポテンシャルを明確にすることです。取引額といった自社の情報だけでなく、業種や売上規模、信用度などと掛け合わせ、ターゲットを明らかにします。例えば、取引額と信用度を掛け合わせることで、「信用度が高い優良企業だが、取引額は小さい」というセグメントは、営業強化をすべきといった見方ができます。
本ウェビナーでは、営業戦略を加速させるため、企業データ基盤の整備によるデータ活用の可能性についてお話しましたが、「頭では理解しているが、実際に整備をするとなると、どこから着手すべきか悩む」という声も多く聞きますので、データ整備にお悩みのことがあれば、お気軽に弊社までご相談ください。
データ整備のためのおすすめコンテンツ
https://www.tdb-college.com/column/?id=1574044138-384199
略称や通称名などにより、「社名」だけで企業を特定することは困難です。そのため、多くの企業で企業を特定する目的でマスターデータに「取引先コード」が多くの企業で導入されています。コード選定のためのポイントをまとめた資料となります。
・(コラム)マーケティング効率化のためのデータマネジメント 全3回
第1回 データマネジメント基礎編
https://www.tdb-college.com/column/?id=1557479955-738071
第2回 データマネジメント実践編
https://www.tdb-college.com/column/?id=1558336241-212859
第3回 マーケティング効率化のためのデータ利活用とは
https://www.tdb-college.com/column/?id=1558592516-814627