帝国データバンクの信用調査報告書とは|調査報告書から学ぶビジネス教養
2023.02.07
本シリーズでは「今更聞けないビジネス教養」をコンセプトとし、帝国データバンクの信用調査報告書項目を基に、企業に関する解説を進めていきます。社会人としての基礎知識の学習も復習も本シリーズをご活用ください。第1回目は本シリーズの基となる「信用調査報告書」を説明していきます。
信用調査報告書とは
帝国データバンクの信用調査報告書は現地調査による情報と長年のノウハウを基にした情報分析力で、精度と鮮度の高さが特徴です。
信用調査報告書には以下15カテゴリーがあり、100以上の項目で構成されています。
・サマリー ・登記/役員/大株主 ・従業員/設備概要
・代表者 ・系列/沿革 ・業績
・取引先 ・銀行取引/資金現況 ・現況と見通し
・貸借対照表 ・損益計算書 ・株主資本等変動計算書
・財務諸表分析表 ・推定キャッシュフロー計算書/分析表 ・不動産登記写
報告書の活用方法
会社案内やホームページ、人から又聞きした話だけで企業理解ができますでしょうか。自社でなかなか入手できない情報を補ったうえで、取引判断するという事が重要です。
2.継続取引先の調査
既存の得意先を調査する必要性は、企業は「生き物」だということにあります。皆さまの企業が1日1日変化しているのと同じように、皆さまの取引先も変化をしているということです。当然、良い変化だけでなく悪い変化もあります。そのため、定期的に診ることが必要です。
3.取引拡大のための調査
先方の仕入れニーズの推測や、取引拡大につなげるためのニーズを探るという使い方も可能です。大口顧客を増やすための関係性構築や、得意先の他の取引先を把握したうえでの囲い込みなどにも活用できます。
4.仕入先・外注先の調査
サプライチェーンの中で安定的な供給ができるか否か、という点は取引をするうえで重要視されています。得意先の信用を失わないためにも、安定的な供給を行うための仕入与信や、万が一の時のための代替先の候補選定はしておくことをおススメします。
5.同業他社の調査
財務内容、仕入・販売ルート、事業展開方針、商品ラインナップなど、同業の動きを把握することで具体的に自社の対策を講じることができます。また、参考書として使用し、他社の強みを自社に取り入れたり、自社を見直したりする企業も多くあります。
このように、信用調査報告書は企業取引において重要な情報が幅広く記載されています。本シリーズはその信用調査報告書の項目からビジネス教養として知っておくべきポイントをピックアップして掲載していきますので、日々の業務でも活用していただければと思います。
次回は、サマリー欄の「商号」から、会社法や会社の種類について解説していきます。
[作成者:株式会社帝国データバンク TDBカレッジ事務局]
信用調査報告書について
また、定期的に信用調査報告書の読み方についてのセミナーを行っていますので、是非ご参加ください。
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