人手不足解消のカギ、「賃上げ」が 51.7%でトップ|厳選TDB調査レポート3選
2023.06.20
帝国データバンクが独自に調査を行い、定期的に「特別企画」と称し、レポートを発表しています。その中で、特に話題となったものをピックアップし、数字に焦点を当ててポイントを要約しています。短時間でトレンドを把握しましょう。
企業における人材確保・人手不足の要因に関するアンケート
~ リスキリングによる成長や働きやすい環境の見える化などが課題に ~
(2023年5月17日掲載)
ポストコロナに向けた経済活動・社会生活の正常化が急速に進むなかで、企業における人手不足感が多方面で高まり続けています。『人手が不足している要因』では、「条件に見合った人材から応募がない」が54.6%で最も多くを占めました。一方で、『人手が不足していない要因』では、「賃金や賞与の引き上げ」が51.7%で最も多くを占め、次いで「働きやすい環境」が35.0%、「定年延長等」が31.2%となりました。
人手不足感の上昇に歯止めをかけ、人材確保や人手不足の解消に導く最も重要なカギは「賃上げ」であると考えられ、それを実施しやすい環境の整備も必要だと予想されます。また、賃上げ以外にも人材確保・人手不足解消の 7 カ条をバランスよく取り組むことが肝要です。
人材確保・人手不足解消の7カ条
1. 成長・安心できる職場
2. 賃金の引上げ
3. 働き方の多様性
4. 仕事の合理化
5. 適材適所による効率化
6. 慣例にとらわれない人事制度
7. 職場へのアクセス・立地条件
エネルギー価格上昇に伴う企業の「光熱費」影響調査
~ ⼩売業で「増加」目⽴つ 店舗の運営管理費重く ~
(2023年5月24日掲載)
原材料価格の価格転嫁が優先され、電気料金の価格転嫁までは厳しいといった声も多く、これまで実施されてきた各種エネルギー料金の値上げによって企業負担は既に重たくなっています。1社あたり光熱費増加額は平均で47.8万円に上り、月額で約4万円の新たな光熱費負担が発生した計算となります。業種別にみると、光熱費が増加した割合が最も大きかったのは「小売業」で、1社あたりの増加額も大きく、平均で年間約186万円(月額約16万円)増加し、全業種中で最大となりました。
政府による電気・ガス代負担軽減策など時限的な支援もあるものの、今夏以降にさらなる負担増を迫られ、収益環境が一層厳しくなる企業が増加する可能性があります。
2023年度の設備投資に関する企業の意識調査
~ 人手不足、エネルギー価格上昇への対応に関心高く ~
(2023年5月25日掲載)
5月8日より、新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行し、いよいよポストコロナ
に向けて経済活動が本格化してきました。2023年度に設備投資を実施する予定(計画)があるか尋ねたところ、設備投資計画が『ある』と回答した企業は60.5%となりました。また、予定している設備投資額について尋ねたところ、全体の平均は1億2,470万円となりました。投資に期待する効果として、「大企業」では売り上げ・利益拡大を期待する声が多い一方、「中小企業」では人手不足やエネルギー価格上昇に対応するため、合理化・コストカットに焦点を当てるケースが多く、規模によって差異が表れました。
2023年度の設備投資は、需要が急回復するポストコロナに向け、生産・販売能力の拡大や新しい技術開発、人手不足に対応するためのデジタル投資の拡大が本格化するとみられています。
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