22年度の中古車販売市場 過去最高の3.9兆円|厳選TDB調査レポート3選
2023.08.08
帝国データバンクが独自に調査を行い、定期的に「特別企画」と称し、レポートを発表しています。その中で、特に話題となったものをピックアップし、数字に焦点を当ててポイントを要約しています。短時間でトレンドを把握しましょう。
「中古車販売市場」動向調査(2022年度)
~「ビッグモーター」の市場シェア15% 中古車人気が追い風 ~
(2023年7月27日掲載)
2022年度の中古車販売市場は、過去最高の3兆9073億円に達しました。ただ、部品調達難の解消などを背景に国内の新車生産台数は回復傾向にあります。割安な中古車人気は依然として高いものの、22年度後半以降は成約台数・単価ともに頭打ちが続くなど変調の兆しがみられます。中古車相場下落から、高値圏での仕入れを余儀なくされた中古車販売店では「逆ザヤ」による収益悪化が徐々に広がるとみられます。また、売上高で市場シェアの約15%を占める業界最大手のビッグモーターによる不正の影響を受け、消費者の不信感などから風評悪化による影響が懸念されます。旺盛な中古車需要と、販売単価の上昇に支えられた中古車販売市場の拡大ペースは、23年度にも一服する可能性があります。
「旅館・ホテル業界」 動向調査(2022年度)
~ 市場「コロナ前」並み回復の予想 人手不足が課題 ~
(2023年7月3日掲載)
旅館・ホテル業界で業績が急回復しています。直近の業況が判明した約800社を集計した結果、約6割の企業が「増収基調」であることが分かり、「全国旅行支援」中だった22年 10月時点の45%も上回りました。コロナの感染状況に業績が左右され続けてきた旅館・ホテル業界は、国内旅行客の回復に加え、インバウンド増も重なり、旅館・ホテル業界の業績回復に強い追い風が吹いています。今後の動向は「人手不足」による稼働率低下の回避が焦点となりそうですが、引き続き現状の回復ペースが続けば、23年度の旅館・ホテル市場はコロナ禍前並みの4~5兆円前後に到達する可能性がありそうです。
『100億円突破企業』の実態調査
~ 年売上高5倍以上は312社 ~
(2023年7月26日掲載)
直近10年間(10期)で年売上高が100億円を突破した企業は、全国に1,823社にのぼることが判明しました。これは国内企業全体の0.12%にあたり、およそ1,000社に1社という狭き門を突破した企業であることが分かります。また、年売上高が5倍以上に伸びた企業を「飛躍的成長」企業と定義すると、1,823社中17.1%にあたる312社が該当しました。『域内経済牽引や外需拡大に貢献し、賃上げを可能にする持続的な利益を生み出す、中堅企業クラスに匹敵する売上高100億円規模の企業を創出する。』これは岸田内閣の「骨太の方針」にも盛り込まれ、新たな行動を実行に移す企業や、地域経済を牽引する中堅・中小企業の投資等を力強く支援するものです。ポストコロナの成長戦略、経済回復や賃上げの主役となる「100 億円企業」の実態に注目が集まっています。
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