「餃子無人販売店」動向調査|TDB特別企画レポート
2023.09.15
「ギョーザ無人店」急増、3年で10倍
~全国1400店舗に増加も、出店ペース鈍化~
出店数は鈍化傾向、市場飽和で閉店も 利用者層の拡大が市場維持のカギに
今後は、コロナ「5類」移行で外食需要が回復し、相対的に巣ごもり需要が一服するなかでの利用者層の拡大が市場維持のカギを握る。日本冷凍食品協会(東京・中央)が今年4月に行った調査では、自動販売機や無人店舗等で冷凍食品を購入した割合は男女ともに1~2割にとどまった。利用者層の拡大余地は依然として残っているなかで、味や品質、価格に見合うこだわりといった、「無人販売」など話題性以外の誘客戦略が求められる。
[注1] 全国の「餃子無人販売店」のうち、帝国データバンクが店舗数・推移が取得可能な全国67事業者・ブランドを対象に集計した
[注2] 企業信用調査報告書(CCR)ほか、外部情報などを基に集計した。なお、店舗数や初出店時期などは一部推定値を含む
餃子の無人販売、コロナで大幅増 22年度末に1300店、3年で10倍に急拡大
冷凍餃子の無人販売事業に進出した企業の進出時期(初出店時ベース)を見ると、最も多いのは「2021年度中」で、全体の6割がこの時期に参入した。また、こうしたビジネスに成功した企業が多いことから、22年度以降に新たに参入した企業も2割を占めた。なお、22年度末時点で最もシェアが大きかった餃子無人販売店は「餃子の雪松」ブランド(運営:YES、東京・国分寺)で、全国シェアのおよそ3割を占めた。
他方、無人販売を展開する企業では、中華料理店や業務用冷凍食品メーカーがコロナ禍での販売減少を補うために冷凍餃子専門店へと進出したケースが多くみられた。「事業再構築補助金」など各種補助金制度の活用も背景に、本業とは別の事業として手がける動きも広がったことで、駐車場運営やクリーニング店など他業種からの参入も多くみられた。有人店舗に比べて省スペース・低コストでの開業が可能なこと、人件費などランニングコストが大きく抑えられるといったメリットも後押しした。特に、店舗運営に従業員を多く必要としない点が近時注目され、餃子以外の商材でも無人販売ビジネスが展開されるケースが目立つ。
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