「楽器店市場」 動向調査2023|TDB特別企画レポート
2023.09.20
「楽器店」市場 アニメ効果で底打ち
『ぼっち・ざ・ろっく!』も影響 若者向けが好調
長期的には国内市場の縮小避けられず 「ライト層の引き留め」課題に
今後は、広がる楽器演奏のすそ野をいかに維持するかが、少子高齢化で長期的な縮小が避けられない国内市場を今後も維持するカギになるとみられる。コロナ禍で販売量が増加したエレキギターは、販売店から「中古販売の在庫がやや多い」といった声も出始めるなど、難易度の高さなどを理由に楽器から離れてしまうケースも散見され、楽器演奏に興味を持ったライトなファン層の引き留めが課題となる。
[注] ギターやピアノ、DCM等「楽器」販売を主力とする国内のべ1300社が対象
「楽器店」市場、アニメ効果でコロナ禍から底打ち 在宅需要も下支え
楽器店市場は、少子高齢化や習い事・趣味の多様化を受けて近年は頭打ちの状態が長く続いてきた。こうしたなか、2020年度はコロナ禍の感染拡大に伴う外出制限の影響で一般顧客向けの店舗販売が大きく落ち込んだほか、付随して運営するケースも多い音楽教室なども休講を余儀なくされたことで、大幅な市場縮小を余儀なくされた。一方、20年度後半以降は巣ごもり需要の拡大でギターなどの弦楽器や電子ピアノなどの需要が増加したほか、学校での部活動やサークル活動なども再開したことで、ティーン層を中心に販売が増えている。なかでも、特に22年度はガールズバンドを題材としたアニメ・マンガ作品『ぼっち・ざ・ろっく!』の影響で、新たにギターを始めるライト層向けの販売が増加した楽器店もみられた。総じて、エレキギターを中心に新しく楽器演奏にチャレンジする巣ごもり特需の発生が、楽器店市場を下支えする形となった。
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